尾木ママ

暗い道ではヘッドライトをこまめに切り替えて! ハイビームで!事故をなくそう

夜道の基本は、ハイビームなの?

夜間は、車のハンドルを握るドライバーにとって、走行中の視界が大幅に制限される危険な時間帯です。夜道で点灯するライトは、道路運送車両の保安基準では、ハイビームが原則。対向車や前走車がいる場合は、他の車のドライバーに眩惑を引き起こす危険性があるので、ロービームへの切り替えが必要です。ハイビーム・ロービームの機能と役割をしっかり理解し、状況に応じて的確に使い分け、夜道の安全運転を心がけましょう。

ハイビームとロービーム、どれくらい違う?

ヘッドライトに備えられたハイビームとロービーム。道路運送車両の保安基準においては、前照灯というのは、

ハイビーム 走行用前照灯
ロービーム すれ違い用前照灯

として区分されています。さらに、ハイビーム(走行用前照灯)は、夜間において前方100mにある交通上の障害物を確認できる性能のものとされ、ロービーム(すれ違い用前照灯)は、夜間において前方40mにある交通上の障害物を確認できる性能のものと規定されています。

つまり、ハイビーム走行ならば、ロービームで走行している時よりも
2倍以上の距離・早い時間で前方の歩行者や障害物を発見できることになります。

[ ロービーム ]

[ ハイビーム ]

ハイビームで、事故は防げる?

警察庁によると、交通死亡事故が多く発生する時間帯としては、

■ 日が暮れ始める薄暮から日没にかけての17時台~19時台

とされており、また季節としては、

■ 秋から冬の日没が早まる10月から12月の薄暮の時間帯

に多くの死亡事故が発生しています。こうした薄暮から日没、夜間にかけての時間帯は、車と歩行者が絡んだ事故が多く、その半数を占めているそうです。

死亡事故は、一日の中で日没時刻と重なる時間帯である17時台~19時台において最も多く発生している。

[ 時間帯別の死亡事故件数 ](平成24年~平成28年)

薄暮時間帯における死亡事故をみてみると、1月から6月にかけて減少傾向にあるものの、7月以降は上昇傾向に転じ、特に10月~12月にかけて最も多く発生する。

全時間帯の死亡事故と比較しても、薄暮時間帯は年末にかけての増え方が大きい。

[ 月別の薄暮時間帯における死亡事故件数 ](平成24年~平成28年)

薄暮時間帯・夜間における死亡事故に係る分析

自動車対歩行者死亡事故(夜間・自動車直進中)における
前照灯上向き点灯の事故防止効果

夜間、車が直進している際の歩行者が関係する死亡事故では、一定条件下で発生したものの場合、ハイビームを点灯していれば、衝突を回避できた可能性の高いケースが、一定数あったことが警察庁の調査分析の結果から判明しています。

【参考】前照灯の上向き点灯(ハイビーム)のイメージ

出典:警察庁【平成29年上半期における交通死亡事故の特徴等について(抜粋)】

夜間の安全運転のポイント

夜間、車で走行する場合は、ハイビームとロービームを状況に応じて使い分けることが、安全運転をする上で重要なポイントになります。

  • 01.交通量の多い市街地の場合は、ロービーム
    街路灯などの明かりがある都市部では、ある程 度、視界が確保されており、また対向車や前走車など、行き交う車両の交通量も多いことから、 ロービームでの走行が多くなります。
  • 02.暗い夜道で対向車や前走車がいない場合は、ハイビーム
    夜間の運転では、速度を抑えるとともに、対向車 や前走車がいない場合は、ハイビームに切り替えて、歩行者や自転車、障害物の早期発見と事故防止に努めましょう。
  • 03.対向車や前走車がある場合は、ロービーム
    対向車がいる場合、また前走する車両に追随している場合は、相手のドライバーに眩惑を起こす危険性があるので、ロービームに切り替えます。
  • 04.対向車が自転車の場合も、ロービーム
    前方から来る対向車両が自転車の場合も、乗り手を眩惑させる危険性があるので、ロービームへの切り替えが必要です。
  • 05.雨や霧の道を走行する場合は、ロービーム&フォグランプ
    雨や霧の日は、空気中に含まれる水分量が多いことから、ライトの光が乱反射して遠くまで届かないため、ハイビームにすると、かえって視界が遮られてしまいます。ロービームにして手前を照らし、左右の照射角が広いフォグランプを点灯し、前走車のテールランプやセンターラインを目安にしながら、ゆっくりした速度で安全に走行しましょう。
  • 06.高速道路を走る場合
    街路灯などがない高速道路では、対向車や前走車がいない場合には、ハイビームに切り替えて、落下物がないか、事故で停止した車両がないか、早期の発見に心がけ、事故防止に努めましょう。

ヘッドライトの種類

ヘッドライトは、夜間走行時に車両の前方を照らし、ドライバーの視界を確保する上で、重要な役割を担っています。前方を照射し、安全を確認するとともに、対向車や歩行者に対して、自車両の存在と走行位置を知らせる役割もあります。現在、ヘッドライトに使われている光源には、ハロゲン、HID、LEDの3種のランプがあり、それぞれに特徴があります。

ハロゲンランプ

電球内に、窒素やアルゴンなどの不活性ガスとヨウ素や臭素などを用いたハロゲンガスを入れて通電・発光させる構造のランプ。淡い暖色系の発光色で、フィラメントの発熱温度が高いことから、降雪時に熱で雪が溶けるメリットがある一方、その熱が内部の汚れの焼きつきを起こすデメリットもあります。

淡い暖色系の発光色

降雪時に熱で雪が溶けるメリット

HIDランプ

メーカーによって、キセノンランプ、ディスチャージランプとも呼ばれる高輝度放電式のヘッドライト。少し青みがかった発光色で、ハロゲンライトよりも明るく、長寿命のため、1990年代から実用化されるようになりました。

少し青みがかった発光色

ハロゲンライトよりも明るく長寿命

LEDランプ

発光ダイオードを使用し、複数のチップを並べて発光させるヘッドライトで、長寿命かつ消費電力が低く、白い発光色で、ハロゲンランプやHIDランプよりも発熱量が低い点が特徴です。今後さらに高輝度化・省電力化が進む可能性があり、ヘッドライトの主流になっていくと思われます。

長寿命かつ消費電力が低い

ハロゲンランプ、HIDランプより発熱量が低い

ヘッドライトの先進機能

ヘッドライトに使われているランプの進化に加え、最近では、ヘッドライトの高機能化・インテリジェント化が急速に進展し、さまざまな安全機能が搭載されたことで、夜間走行の安全性は格段に向上しています。

オートハイビーム(AHB)-自動切替型前照灯-

センサーで対向車や前走車の位置を検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替える機能を備えたヘッドライト。

アダプティブハイビーム(ADB)-自動防眩型前照灯-

センサーが対向車や前走車を検知、車両がいる部分の照射範囲を可変制御し、減光することで、ドライバーの眩惑を起こさないようにする自動制御機能を備えたヘッドライト。ハイビームを複数の光源で構成、それぞれをコントロールすることで配光を制御するもので、対向車や前走車の有無にかかわらず、常にハイビームの状態で走行できる点が大きなメリット。

アダプティブフロントライティングシステム(AFS)-配光可変型前照灯-

走行中、ステアリングの操舵角に連動してヘッドライトの光軸を自動制御し、照射方向を可変することで、進行方向を明るく照らし、カーブや交差点における視認性を高める機能。

出典:警察庁【平成29年上半期における交通死亡事故の特徴等について(抜粋)】

まとめ

  • 暗い道で対向車や先行車がいない場合は、ハイビームを活用しましょう
  • 交通量の多い市街地などや対向車や先行車がいる場合は、ロービームで走行
    ※対向車がバイク・自転車の場合も確実にロービームに切り替えましょう。
  • ヘッドライトの高機能化が進んでいるとはいえ、機能に頼りすぎない
  • 昼間より速度を落とした運転を心掛けましょう

夜間は速度を落とし、前照灯の上向き・下向きの切替えをこまめに行いましょう。